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トランジスタ理論に異議あり、NISTの研究チームが重大な欠陥を指摘

Analog / Power

 米NIST(国立標準技術研究所:National Institute for Standards and Technology)の研究チームは、トランジスタの雑音に関する理論には根本的な欠陥があると指摘し、この問題を解決しない限り、高効率と低消費電力を両立させたトランジスタの開発は暗礁に乗り上げると、警告を発している。

 Jason Campbell氏が率いる研究チームは、トランジスタの小型化を進める中で、オン/オフを切り替える際に生じる「周波数の揺らぎ」を調査した際、この問題に偶然気が付いたという。

 これまで、トランジスタの電源を切り替える際に生じる電源ノイズが揺らぎの原因だとする説が、広く支持されてきた。しかし、この説は事実と異なる、と同研究チームは指摘する。

 実際のところ、研究者や技術者の間では、電源ノイズが原因であるとして、ノイズ軽減への注力を推進する理論モデルが、何十年にもわたって、広く容認されている。その理論とは、弾性トンネル(elastic tunnelling)モデルである。同理論は、トランジスタを小型化すればするほど、雑音周波数が高くなると予測している。

 しかし、Campbell氏は、NISTの同僚だけでなく、米University of Maryland College Parkや米Rutgers Universityの研究者と共同で進めた今回の研究で、トランジスタをナノサイズにまで小型化しても、雑音周波数が変わらないことを実証した。

 「われわれの研究結果は、同理論における揺らぎ効果の説明が間違っている可能性を示唆している。確かに、大型トランジスタの場合、同理論は成り立つ。しかし、業界が開発を目指すナノスケールの小型トランジスタの場合、同理論が成立しないことは、われわれの研究結果が明示している」(Campbell氏)。

 この問題は、特に消費電力の低いトランジスタで顕著だという。今回の研究では、消費電力を少なくすればするほど、一層大きな「揺らぎ」が観察されたことが報告されている。

 「低消費電力用途に向けたトランジスタを開発する際、この問題がボトルネックになるのは確かだ。問題を解決する以前に、問題を理解する必要がある。厄介なことに、現時点では、一体何が起こっているのか、まったく見当がつかない」と、Campbell氏は説明する。

 同氏は、現行の理論が間違っている可能性を最初に指摘した人物として、NISTの同僚であるKin P. Cheung氏の名を挙げた。

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