米IDT社、高圧縮ビデオのノイズを除去するビデオ・プロセッサを開発
米Integrated Device Technology(IDT)社は、民生向けビデオ・プロセッサの新ブランド「Vida」を立ち上げ、生産を開始すると発表した。Vidaプロセッサの新製品「VHD1900」(図1)は、インターネットや携帯型機器向けに配信される高圧縮ビデオをビデオ大画面テレビ受像機やデジタル・メディア・プレーヤに表示する際に発生する副作用を除去する。同製品の製造は、2008年10月に買収した米Silicon Optix社で行う。
近年、ウェブや携帯電話機向けにビット・レートの低いビデオ映像が数多く配信されるようになった。こうした映像を高精細なディスプレイを備えたテレビ受像機で視聴する際には画質の改善が必要になる。同社はVidaプロセッサで、このようなビデオの画質改善を狙う(図2)。
IDT社のビデオ・チップ部門で戦略マーケティングのシニア・マネジャーを務めるDerry Murphy氏「ネットワークによるデータ配信は帯域幅の制限がある。ビデオ映像を配信するには高い圧縮を施すしかないのが現状だ。しかし、さまざまなコーデックや圧縮技術を使って何度も圧縮されたコンテンツを表示すると、ノイズが目に見えてしまう」と指摘する。
Vidaプロセッサには、モーション・アダプティブ・デインターレースなどの新しい技術のほか、Silicon Optix社のプロセッサから引き継いだ数々の機能も搭載している。その一例として、ブロック・ノイズやテンポラル・ノイズ、対象物の輪郭がぼやけてしまうモスキート・ノイズを低減または除去する「StreamClean」機能がある。
同プロセッサは、パソコン・クラスの低品位なビデオ映像を標準画質(SD)映像に変換したり、高品位(HD)映像に変換したりする解像度改善アルゴリズムの性能をさらに向上させた。同プロセッサには、「xvYCC」と呼ばれる拡張色空間や正確な調整が難しかった色スペクトルの細部も再現できる機能が搭載されている。
IDT社は今後、米Broadcom社やオランダNXP Semiconductors社、米Texas Instruments社、米Zoran社などのビデオ・プロセッサの老舗メーカーと市場を奪い合うことになる。そこでVidaプロセッサでは、システム・メーカーが既存の商用機器や特許取得済みのSoCに追加搭載する手順を、他社メーカーの製品と比べてより簡潔にした。
Vidaプロセッサは、効率を高められるようにアルゴリズムが再設計されており、外付けメモリーを使う必要もない。通常の36ビットTTLインターフェースで12ビットのカラー処理を実行する。
パッケージは128ピンTQFP。価格は1000個時で25米ドルを予定している。
同プロセッサは、2009年8月に生産を開始する予定で、DVDやBlu-rayプレーヤ、テレビ受像機、セットトップ・ボックスなどのデジタル・ビデオ・システムのデザイン・ウィン獲得を狙う。Silicon Optix社は独立型企業として、韓国Samsung Electronics社や米Visio社などからテレビ受像機セットのデザイン・ウィンを獲得していた。
コンサルタント企業である米Envisioneering社でプリンシパル・アナリストを務めるRichard Doherty氏は、IDT社のプレス発表の席で「インターネット・ビデオ・サイトをテレビ受像機やパソコンで見ると、粒子が粗くノイズも発生していたが、IDT社のビデオ拡張機能によって、こうした映像も画素レベルで鮮明に再現できるようになった」と述べた。
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