盛り上がりを見せる生体認証市場、2015年には15億ドル規模に成長

米国の市場調査会社であるFrost&Sullivan社によると、2010年以降は生体認証関連の市場が大きく成長するという。同社は、2008年に約2億1610万ユーロ(約3億米ドル)であったEMEA(Europe,Middle East and Africa: ヨーロッパ、中東およびアフリカ)地域の生体認証関連市場の売上高は、2015年までに約10億5800万ユーロ(約15億米ドル)にまで増大すると予測している。
これは、年複利成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)で考えると、25.5%もの成長率だ。各国政府が主導するeパスポート(IC入りパスポート)や国民ID番号制度の導入などの計画は、不景気に落ち込んだ世界経済の回復に貢献できると見られる。
現在のところ生体認証技術としては、顔認証技術や、虹彩認証技術、掌形認証技術、音声認証技術、署名認証技術などが挙げられる。
Frost&Sullivan社のアナリストMatia Grossi氏は、「近年、安全、正確でより信頼性の高い個人認証技術への需要が高まっている。物理的なアクセスを認証する技術、ネットワーク越しのアクセスを認証する技術のどちらも成長が見込める。最近になって、指紋、顔、虹彩などで生体を認証する技術は、商取引の認証、入退室時間や出欠状況の確認、渡航文書および本人確認書類、さらに入国検査など、用途を大きく広げている」と述べた。
指紋認証技術を組み込んだスマート・カードで、物理的なアクセス認証、ネットワーク越しアクセス認証のどちらにも対応できるようにする動きが、生体認証市場をけん引している。この動きは、世界的なものになると予測できる。
国際連合の専門機関であるInternational Civil Aviation Organization(ICAO)が策定した規格「ICAO Doc 9303」による指令や、欧州委員会が定めた旅券規則「EC 2252」は、生体認証パスポートの普及を加速させると見られている。今後3年のうちに、さらに多くのヨーロッパ諸国で、生体認証技術を利用する動きは広がる。国民ID番号制度や、免許証、保険証に生体認証技術を導入する計画が本格化するだろう。
Grossi氏は、「シェンゲン協定加盟国で通用するシェンゲン・ビザには、指紋認証技術を組み込んである。このビザが通用する国では、入国検査所に読み取り装置を設置しなければならない。この装置は、大きな利益を生み出すだろう。そして、虹彩認証を用いた入国管理システム「IRIS(Iris Recognition Immigration System)」は現在、英国のBirmingham、Gatwick、Heathrow、Manchester、Stanstedの各空港で稼働している。IRISは、今後3年~5年のうちにヨーロッパ各地の空港が導入していくだろう」と見通しを語った。
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