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【CES 2010】ネットブック市場を狙うARMプロセッサ、CESに搭載機が登場

Processor / Logic / Memory
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 英ARM社は、ネットブックという同社にとって新しい市場に挑戦している。米国最大の家電ショー「2010 International CES(Consumer Electronics Show)」(2010年1月7日~10日に米ネバダ州ラスベガスで開催)でも、ARMアーキテクチャのプロセッサを搭載したネットブックを展示するメーカーがあった。

 米Lenovo社は、ARMプロセッサとLinuxを搭載したネットブック「Skylight」を発表した(図1)。CESで動作デモを実施している。同社はSkylightをノート・パソコンとスマートホンの間に位置する新しい種類の情報機器と位置付けており、2010年春に出荷を開始する予定としている。

図1
図1 Lenovo社のSkylight
曲線を生かした外形デザインと、ウィジェットを利用したGUIが特徴。

 

 現在、市場にあるネットブックのほとんどすべてが、米Intel社のAtomプロセッサを搭載している。一方で、パソコン・メーカー各社は、x86プロセッサとWindowsを組み合わせた標準的なパソコンとは異なる種類の情報機器を模索している。例えば米Dell社は、2009年11月に米Google社のAndroidを搭載したスマートホンを発表している。しかし、Lenovo社の技術責任者であるHoward Locker氏は数週間前に、Windows 7の登場により、ほかのOSはさほど重要でなくなるだろうと発言していた。

 Skylightは、プロセッサにAtomではなく、ARMアーキテクチャを採用した米Qualcomm社の「Snapdragon」を搭載している。動作周波数は1GHzだ。そして、ハード・ディスク装置の代わりに、14GバイトのNAND型フラッシュ・メモリーを搭載する。Lenovo社は、2Gバイトのオンライン・ストレージ・サービスも合わせて提供する。

 ディスプレイは10インチ型で、無線LAN機能に加えて、3GのWCDMAモデムも標準で備える。さらに、130万画素のデジタル・カメラも搭載している。本体重量は910g程度と軽く、外形寸法は253mm×201.1mm×17.2mmと小さい。

 2次電池による駆動時間はAtom搭載ネットブックよりも長く、インターネットへの接続も簡単だという。Lenovo社は、このような特徴を前面に出して、一般的なネットブックとの違いをアピールしている。店頭価格はAtom搭載ネットブックと同程度の499米ドルになる予定だ。

 米Qualcomm社をはじめとするARMアーキテクチャのプロセッサを販売するメーカーによると、ARMアーキテクチャのプロセッサとオープンソースのOSを利用することで、ネットブックを300米ドル程度で販売することも可能だという。

 市場調査会社である米Forward Concepts社は、2010年には1億6500万台の携帯型コンピュータが出荷されると予測している。内訳は、80%が従来のノート・パソコンで、17%がネットブック、3.6%(約600万台)がARMプロセッサを搭載したものだという。

 ディスプレイ分野の市場調査会社である米DisplaySearch社によると、2009年のノートパソコンの出荷台数は2008年比で5%増加したが、平均販売価格は約20%下落したという。同社は、価格の下落は2010年も続くが、出荷台数は16%増加すると予測する。

 Lenovo社はSkylightと同時に、AtomプロセッサとARMプロセッサの両方を搭載するネットブック「IdeaPad U1」の試作品を公開した。ディスプレイ部分を取り外して「タブレット」として利用できるもので、ディスプレイを取り付けてあるときはAtomプロセッサでWindows 7を動かし、ディスプレイを取り外すとARMプロセッサでLinuxを動作させる。

メーカー向け試作品の展示も

 米Freescale Semiconductor社は、同社のプロセッサ「i.MX515」を搭載した「スマートブック」を試作した(図2)。2010 International CESで動作デモを実施している。このスマートブックは、7インチ型のタッチパネルを搭載しており、電話機能を取り除いたスマートホンとネットブックの特徴を組み合わせたようなものになっている。

図2
図2 Freescale Semiconductorが試作した「スマートブック」
メーカーはこの試作品をベースに製品を開発できる。

 

 同社のグローバル・コンシューマー・マーケティング部門でディレクタを勤めるGlen Burchers氏によれば、今回試作したスマートブックは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスへのアクセスや、高品質の音声、動画再生、ゲームなどの用途に対応するという。

 ディスプレイは、一般的なスマートホンよりおよそ4倍大きい7インチ型だ。スマートホンよりは大きいが、ネットブックと比較するとおよそ3分の1の大きさに収まっている。CESでは、OSにAndroidとLinuxをそれぞれインストールしたものを用意し、インターネットへの接続や、高速起動、2次電池で24時間動作するところなどを見せている。

 先に述べたように、プロセッサは同社のi.MX515を採用している。英ARM社のプロセッサ・コア「Cortex-A8」を基にしたプロセッサだ。また、3軸加速度センサー「MMA8450Q」、パワー・マネジメントIC「MC13892」、そして音声コーデックIC「SGTL5000」を搭載しているほか、無線LAN、3Gモデム、Bluetoothといった通信機能も備えている。

 Freescale社はこのスマートブックの設計に当たって、米ジョージア州の大学Savannah College of Art and Designの工業デザイン・プログラムや、ハードウエアの設計サービスを提供した台湾Inventec Appliance社と協業した。Freescale社は、このスマートブックの回路図やブロック図などの情報を、コンピュータ・メーカーに提供する。Linuxを動作させるためのサポートも用意する。

 同社によれば、2010年の夏には、このスマートブックを基にした最終製品が店頭に並びそうだという。そして、販売価格は200米ドル程度になるとしている。

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