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高性能MIPSコアの環境も登場、オープンソースの組み込みソフト検証用仮想環境

Software / Embedded
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 組み込みソフトウエア検証用に、オープンソースの仮想環境を開発、配布している団体であるOpen Virtual Platforms(OVP)は、米MIPS Technologies社のプロセッサ・コア「MIPS32 74K」と「MIPS32 1004K」の動作を再現するプログラム(OVPでは「モデル」と呼ぶ)の配布を始めた。無料でダウンロード、利用できる。OVPは、組み込み機器のモデルを提供する標準的な団体としての地位を固めつつある。

 MIPS32 1004Kは、MIPS Technologies社のプロセッサ・コアの中でも最も性能が高いプロセッサ・コアで、MIPS32 74Kはそれに次ぐ性能を発揮する。MIPS32 1004Kはマルチ・コア構成を想定したもので、最大4つのコアを集積でき、1つのコアで2つのスレッドを同時に実行可能だ。

 MIPS Technologies社は、同社の「MIPS-Verified」プログラムで、今回配布が始まったモデルを検証した。今回の新モデルをOVPのシミュレータ「OVPsim」で稼動させたところ、数百MIPS(Millions of Instructions Per Second)の性能を発揮した。

 今日の組み込みソフトウエアは、複雑になる一方だ。特に、組み込み機器向けのMIPS32 1004Kのように、マルチコア・マルチスレッド対応のプロセッサ向けのソフトウエアは開発とデバッグが難しく、時間がかかる。

 組み込みソフトウエアが元々複雑であることに加え、開発スケジュールは短くなる一方で、バグなどの問題もある。このような問題に対処するために、組み込みソフトウエア開発者は、開発プロジェクトで決めたスケジュールよりも早い時期からソフトウエア開発を始めるようになっている。

 つまり、ソフトウエアを動かすハードウエアも存在しない時期から、仕様書を頼りにソフトウエアを開発するのだ。しかし、仕様書の中身が変わることは珍しくなく、そのたびにソフトウエアを修正しなければならない。そして、ソフトウエアを作っても、仕様書ではソフトウエアの動作を検証することはできない。

 そこで、OVPが提供するモデルが役に立つ。パソコン上に仮想的なハードウエアを構築でき、そこでソフトウエアの動作を検証できる。ソフトウエア開発の早い段階から、モデルを使った検証ができれば、生産性や品質を上げることができる。

 OVPが提供するプロセッサのモデルはどれも、正確に命令を実行し、その動作は実に素早い。組み込みソフトウエアの開発者に向けたものだが、その中でも、ファームウエアやベアメタル・アプリケーションなど、ハードウエアに強く依存したソフトウエアの開発に役立つ。OVPが提供するモデルは、開発環境としての信頼性も高い。

 OVPが提供するプロセッサ・モデルや周辺機能のモデル、プラットフォーム(OSやベアメタル環境などを再現したもの)を組み合わせることで、仮想的なハードウエアを構築できる。また、OVPのプロセッサ・モデルはどれも、TLM-2.0インターフェースを採用しているため、SystemC/TLM-2.0規格に準拠した仮想環境にプロセッサ・モデルを組み込むこともできる。

 英Imperas社で社長兼CEO(最高経営責任者)であり、OVPのファウンディング・ディレクタも務めるSimon Davidmann氏は、「ソフトウエア開発を早めに始めるために、仮想プロトタイプを導入するのは自然な流れだ。開発を早めに始めることで、マルチコア・プロセッサ向けソフトウエアのデバッグや性能分析も楽になる」とOVPのモデルを導入する利点を強調する。

 そして、OVPを設立した目的を、「MIPS32 1004KやMIPS32 74Kのような高性能プロセッサを対象に、低価格のシミュレーション・ツールや無償のモデルを提供することだった」と述べている。

 同氏はさらに、「今回の新モデル発表により、MIPS32シリーズのプロセッサ・コア全種のモデルがそろった。OVPは事実上、モデルの供給源としての位置付けを確立したといえる」と付け加えた。

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