ローデ・シュワルツが低価格帯の3G/6Gスペアナ投入、低ノイズ・フロアや低消費電力を訴求
左側がスペクトラム・アナライザの新機種「FSC」である。残念ながら、スペクトラムを自動的に捕捉するオートチューン機能は備えていない。右側はアナログ高周波信号発生器「SMC100A」。2台ともに横幅が約23cmなので、19インチ(約47.5cm)型のラックに2台並べて収容できる。
ノイズ・フロアの指標である平均表示雑音レベル(DANL)は、プリアンプ使用時に最大-161dBmと低い。出典:ドイツRohde & Schwarz社
新機種「FSC」は、低価格帯(エントリ・レベル)に位置付ける。出典:ドイツRohde & Schwarz社
ドイツRohde & Schwarz社でHead of Product Management, Spectrum and Network Analyzers, EMC Test Equipmentを務めている。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは、価格を80万円台と低く抑えながらも、同価格帯としては「最高レベル」(同社)のノイズ・フロア性能を確保したスペクトラム・アナライザ「R&S FSC」を発売した(図1)。測定周波数範囲が9kHz~3GHz、9kHz~6GHzと異なる2機種を用意している。ノイズ・フロア性能の指標となる平均表示雑音レベル(DANL)は、プリアンプ使用時に最大-161dBm、プリアンプ非使用時に最大-141dBmに抑えた(プリアンプ使用時は周波数が10MHz~1GHz、非使用時は10MHz~2GHzの範囲で、いずれも分解能帯域幅(RBW)を100Hz、ビデオ帯域幅(VBW)を10Hzに設定した場合)(図2)。価格は、3GHz機が80万9000円(税別)から。6GHz機の価格は現時点では明らかにしていないが、「競合他社機の公表価格よりも低く設定する」(同社)という。
同社はスペクトラム・アナライザの製品ラインを価格帯ごとに3つに分けており、今回のFSCは低価格帯(エントリ・レベル)に位置付ける(図3)。この価格帯で同社が従来提供していた3GHz機「FS300/315」に比べて、外形寸法や価格を維持したまま、性能を高めた。例えば、DANLは従来機が9kHz~3GHzにおいて最大-114.7dBm(VBWを10Hzに設定し、RBWを100Hzに換算した値)だったのに対し、FSCでは全周波数範囲のうちノイズ・フロアが最も悪化する100kHz~1MHzでも最大-133dBmと大幅に改善している。「HF/UHF帯の業務用無線通信機などの評価で測定対象となる、比較的低い周波数領域におけるノイズ・フロアが低いことも特長である。このため、そうした機器の製造ラインでの評価に最適だ」(ドイツRohde & Schwarz社でHead of Product Management, Spectrum and Network Analyzers, EMC Test Equipmentを務めるJoerg Fries氏)という(図4)。
このほか、消費電力を12Wと低く抑えたことも特長だ。消費電力が低いので、冷却用のファンを搭載していない上に、筐体には放熱用のスリットも設けていない。「競合他社機や当社従来機は、消費電力が比較的低い機種でも50W~70W程度である。数多くのスペクトラム・アナライザを組み込む製造ラインでは、消費電力量に大きな差が生じるだろう。しかもそうした機種は冷却ファンを搭載しいる。ファンがほこりを吸い込んでしまい、故障の原因になっていた」(同氏)。これに対し新機種は、屋外で使う場合や、長期間にわたって使用する場合でも、ほこりに起因する故障が発生しにくいとしている。
外形寸法は幅23cm×高さ16cm×奥行き35cm。19インチ型ラックに2台を並べて収められる。チャネル・パワーや占有帯域幅、隣接チャネル漏洩電力(ACP)などの測定機能を備えており、各項目を3GPP WCDMAやcdmaOne、CDMA2000などの標準規格に沿って測定したり、ユーザー独自の仕様に合わせて測定したりできる。ただし変調解析機能は搭載していない。低価格機ながらもUSBポートやLANインターフェースを搭載しており、測定結果や画面の画像を電子ファイルに保存してUSBメモリーやLAN経由でパソコンに移すことが可能だ。プリアンプやトラッキング・ジェネレータなどをオプションで用意した。いずれも筐体に内蔵するタイプである。
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