2010年のテレビ受像機市場は大きく成長、LEDバックライトなどの新技術が需要をけん引

最先端のディスプレイ業界の動向は、半導体をはじめとするエレクトロニクス業界全体の流れも映し出す。現在、新たな技術が、ディスプレイ業界全体の成長を促進している。
ディスプレイ関連の国際会議「Society for Information Display」(2010年5月23日~28日に、米国ワシントン州シアトルで開催)で、米国の市場調査会社であるDisplay Search社が、市場予測を発表した。
出荷台数予測を引き上げ
同社は、2010年のテレビ受像機の全世界における出荷台数予測を引き上げた。3次元(3D)表示、LEDバックライトなどの新しい技術の導入を良い影響と評価した上、2009年にテレビ受像機の出荷台数が堅調に推移したことを理由に、当初の予測から1000万台以上も上乗せし、2010年のテレビ受像機の全世界における出荷台数予測を2億2800万台にまで引き上げた。
DisplaySearch社のテレビ部門でバイスプレジデントを務める鳥居寿一氏は、「現在、新興国のテレビ受像機市場はフラットパネルディスプレイへ急速に移行しつつある。一方、先進国でもテレビ受像機市場が健全な水準で成長している。今回、2010年のテレビ受像機の全世界における出荷台数の予測を上方修正したのは、これらの要素を考慮した結果である」と述べた。
さらに同氏は、「特に、液晶パネルを搭載したテレビ受像機は、2010年の出荷台数が1億8000万台を上回ると予測している。これは、2009年の実績に24%も上乗せした数値となる。この背景には、液晶パネルを搭載したテレビ受像機が、3D表示やLEDバックライト、インターネット接続などの新たな機能を搭載するようになったからだ」と述べた。
鳥居氏が述べたように、液晶パネルを搭載したテレビ受像機の出荷台数予測が、前年の実績を上回った要因の1つとして、LEDバックライトを搭載した製品が急速に普及したことが挙げられる。DisplaySearch社によると、LEDバックライトを搭載した製品は、2009年に全世界で推定360万台売れている。そして、そのうちの半分以上が2009年第4四半期の実績だという。
3D表示対応テレビは今後急速に成長
また、DisplaySearch社は今後、3D表示対応テレビ受像機の市場が急速に成長すると見込んでいる。同社は、2010年の3D表示対応テレビ受像機の出荷台数を250万台と予測した。そして、2013年にはこの数は2700万台にまで成長すると見ている。ただし同社は、3D表示対応テレビ受像機市場の急速な成長を見込む一方で、大型のテレビ受像機に3D表示対応機能が入る時期は遅れると見ている。同社は、2013年に出荷される40インチ型以上のテレビ受像機のうち、3D表示対応テレビ受像機が占める割合は、27%にすぎないだろうとしている。
さらに、アナリストの中には、欧州では、Blu-rayとHD(高精細)放送の普及率がいまだ低く、結果として同地域では、3D表示対応テレビ受像機市場の発展に不可欠なコンテンツの整備が遅れていると見る向きもある。
DisplaySearch社のテレビエレクトロニクスリサーチ部門でディレクターを務めるPaul Gray氏は、「3D表示対応テレビが大流行する一方で、ほかの機能を強化したテレビ受像機も増えている」と述べた。
Googleをはじめとする企業の最近の動向からも分かるように、テレビは現在、インターネット対応機器として進化しつつある。
DisplaySearch社は、インターネット接続機能を持つテレビの出荷台数が、2013年には約1億台に達すると見込んでいる。2009年のインターネット接続機能を持つテレビの出荷台数は約1500万台だった。DisplaySearch社の見込み通りなら、2013年までに実に546%も増加することになる。
また、TFT液晶パネルの製造装置の売上高も増加する見込みだ。経済不況の影響で、2009年の売上高は70億米ドルまで落ち込んだが、2010年には、不況前のピーク時の売上高に近い132億米ドルにまで回復するという。
LEDバックライトの価格は低下していく
DisplaySearch社のLEDバックライトユニットリサーチ部門でディレクターを務めるKevin Kwak氏は、「テレビ受像機メーカーが、LEDバックライトの製造コストを抑えるには、使用するLEDの個数を最低限に抑え、適切なパターンを描いた導光板を採用し、効率良く光を通すフィルムを使った、LEDバックライトの開発が必要だ」と述べた。
Kwak氏はまた、「冷陰極管を使ったバックライトと、LEDを使ったバックライトの製造コストをシミュレートしたモデルを作ってみたところ、2010年第4四半期には40インチ型ディスプレイ用のLEDバックライトの価格が100米ドルになると予測できた。この価格は、同サイズの冷陰極管バックライトのおよそ2.8倍だ。2009年初旬はこの価格差は3.7倍だった」
携帯型プロジェクターの市場が成長する
まったく新しい市場が生まれる動きもある。携帯型プロジェクターの市場が無視できないものになろうとしている。2009年の携帯型プロジェクターの出荷台数は全世界で50万台で、売り上げは1億1700万米ドルだった。DisplaySearch社の予測では、2018年にはこの市場は出荷台数1億4200万台、売り上げ139億米ドルにまで成長するという。
DisplaySearch社でディスプレイテクノロジー部門のディレクターを務めるJennifer Colegrove氏は、「この予測を現実のものにするには、携帯型プロジェクターに関係する宇sべての技術が進化していく必要がある」と語った。
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